現代のシンデレラになる方法
初めては全てあなたに捧げます
今日は2人で近所のスーパーへ。
弁当がなくなってからというものの、やっぱり、ひなたの手料理が恋しくなって、会えばこうして俺の家で作ってもらうことが多くなった。
おかげで、ただ部屋の場所を取っていた無駄にデカい冷蔵庫も、ようやく本領発揮できている。
しかも、これなら、ひなたに金を出させるようなことはないし。
スーパーまでの道のりを2人並んで歩く。
自然な流れで手を繋ごうとひなたの手を取ると、分かりやすい程、狼狽え照れるひなた。
しかし、手、小さっ。
まるで子供みたいな手だ。
だけど、これだけでそんなに緊張されると、なんかこっちも照れてしまう。
もしかして人前で繋ぐの恥ずかしいとか?
いかにも、苦手そうだな。
しかし、ひなたのことだから、直接聞いたところで、本当のことは言えないだろう。
さり気なく、携帯を見るフリをして手を離した。
携帯をまたポケットに戻すが、その手は今度はぶら下げたまま。
あまりひなたに気を遣わせないようにと配慮したつもりだったが、ひなたの予想外の反応を見逃さなかった。
さっきまで繋いでいた俺の手をちらっと、ちょっと寂しそうに見たのだ。
……それは手を繋ぎたいということでしょうか?
思わず嬉しくなってしまう。
「ひなた」
そう言って手を出すと、はにかみならが俺の手を取るひなた。
小さな手がすっぽり俺の手におさまる。