現代のシンデレラになる方法



俺は苦笑しながら、その子に話しかける。


「どうも、東條貴之です。お姉さんとお付き合いさせてもらってます」

「あ、相澤みのりです。みーちゃんて呼んでください」


一応そう挨拶しておく。

信じがたいがこの子が、ひなたの妹っていうんだからしょうがない。


「じゃ、ひなた俺は帰るよ」

「せ、先生、すいませんミートローフは次回必ず」


ミートローフ作るつもりだったのか。

しょうがない次の楽しみにとっといておこう、とサイドブレーキに手をかけた瞬間。

みーちゃんとやらが、喚き始めた。


「ミートローフ!?食べたーいっ」

「み、みーちゃん、ワガママ言わないで!」


……結局、妹を引き連れて俺の家へ行くことになった。

まぁ、別にミートローフ食べれるからいいんだけど。


しかし、本当にわがままで甘ったれな妹だ。

本当にひなたと血が繋がった妹なのだろうか。

こうも姉妹で性格が違うものなのだろうか。

同じ遺伝子を持ってるとは思えない。



車の後ろに並んで姉妹が座る。


「お姉ちゃん、なんか垢抜けたね。最初誰だか分からなかったよっ」

「本当、嬉しいなー」

「どうしたの、オシャレに目覚めちゃったの?」

「いや、それなりに気を付けないとと思って」

「でも、もう少しお化粧してもいいんじゃない?」

「え、ダメ?薄い?」

「だって彼とデート中だったんでしょ?それじゃ、薄いよー」

「そうかなー」


いいんだ、ひなたはそのままで。と言いたかったが黙っておく。


しかし、女の姉妹ってこんな会話するんだな。

なんだか微笑ましい。




< 122 / 196 >

この作品をシェア

pagetop