現代のシンデレラになる方法


「ねぇ、本当にお医者さんですか?」

「あぁ、だからそんなに若いうちから糖分取り過ぎてたら糖尿病になるぞ」


そう説教している最中にも関わらず、また棒付き飴を口の中に突っ込んだ。

イラっとして、棒付き飴の棒を掴んで飴という砂糖の塊を奪う。

ちゅぽんと出たその飴をそのままゴミ箱へ。


「あぁ、ひどーい!」

ぷーっと頬を膨らませ、恨めしそうに見られる。

俺はシカトしてもう一つのソファーに座ると、全く興味のない恋愛ドラマに目をやった。


すると、奴は俺の顔をじーっと見ながら接近してきた。

そして俺の2人がけのソファーになぜか割り込んでこようとする。


「なんだよ」

勢いに押されて、1人分の余裕を空けるとそこにちょこんと正座して、まじまじと俺の顔を観察し始めた。


「そんなイケメンで医者なんて詐欺です。お姉ちゃん騙してるんでしょう?お金が目当てなんですか?お姉ちゃん貧乏ですよ?」

「な訳ないだろ」

「だって、信じられない」

「なんだったら、医師免許見せようか」


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