現代のシンデレラになる方法


それからも疑うような目で俺を見続ける。完全にスルーしようと思ってたが、これじゃ居心地が悪過ぎる。


「……あのさ、あんまり見るのやめてくれないか?」

「なんで?こんなに若い子に見つめられたら照れちゃう?」

本日3度目のイラっ。
青筋が浮きだってくる。

「……じゃ、そんなに見ていたいなら睨めっこでもしようか?目そらした方が負けな」

そう言って、じーっと睨みながら見つめ返す。

すると奴は根負けしたのか、

「きゃっ」

と言って赤くなった顔を両手で隠した。


それを見てリモコンに手を伸ばす。

つまらない恋愛ドラマからニュースに変えてやろうと思ったのだ。

最初は気を使っていたが、色々ぶっ飛んだ妹にだんだん容赦なくなってきた。


「ねぇ、本当に本当にお姉ちゃんと付き合ってるの?」

「あぁ、しつこいな」

「嘘だー、ただの都合いい飯炊き女とでも思ってんじゃないの?あなたみたいな人、他にいくらでも女の人いるでしょ?」

「なんでそんなに疑うんだよ。俺は、他に女なんていない。ひなただけだ」



「……へぇー。じゃあさ、お姉ちゃんにさせてもらってる?」

「はぁ?」

突然、突拍子もないことを言い始めた妹に乱暴に聞き返した。

こんなに眉間に皺寄せたのいつぶりだろうか。


「あらら、もしかしてゴブサタ?溜まってるんじゃないの?抜いてあげようか?」

悪い冗談かと思っていたら、本当にソファに押し倒された。

その上から俺の体に馬乗りになって主導権を握ろうとする。


「みーちゃん上手だよ?」

にこっと笑うと、俺のベルトにカチャカチャ手をかけ始めた。

「何考えてんだよっバカ!」

油断した俺は今になって慌て始める。





俺が声を荒げたと同じ位に、帰ってきたひなた。


「みーちゃん!!」

「げー、もう帰ってきちゃった」

「もう、何してるのっ」


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