現代のシンデレラになる方法


それはいつもと違う朝だった。

目を覚ますとすぐ近くに先生の整った顔。それは、いつものことだけど。

だけど今日は、乱れたシーツの上に、お互い裸で抱き合ってる。

そして、ちくちく痛むあそこ。

昨日ここでしたコトを思い出して、頭が沸騰しそうになった。
思わず、きゃーと心の中で悲鳴をあげる。

しかも、こんな明るいところで、裸だなんて……。

布団の中の自分の裸体を覗き込む。

見事に何も身につけていない……。

布団を命綱かのようにぎゅっと握りしめる。

どうしよう、なんとしてでも先生が起きる前に服を着なきゃ。

でもこの布団から出るのが怖い。

もし出てから服を着る前に、先生が起きでもしたら……


……想像しただけでも、卒倒しそう。



「……ひなた、おはよ」


そして、最悪の事態。

先生が起きてしまわれた。

目をこすりながらベッドから出る先生。

思わず裸だと思って、目をそらす。

ちらっと見ると、下はちゃんとズボンを履いていた。

い、いつの間に……っ。


先生が寝室から出た隙に、すぐに布団から出て下着を探す。

ぴりっと股に痛みを感じたが、今はそれどころではない。

しかしタイミング悪く、ドアが開くガチャという音と、

「ひなた、」

と部屋に戻ってきた先生。


「……っ!」

ちょうどブラジャーを着けようとしていたところだった。

咄嗟に布団で体を隠す。


「何を今更、昨日全部見たのに」

そんな私の様子に呆れたように笑う。

ぜ、全部って……っ!

かぁーと頭に血が上る。


「どうせ昨日のこと覚えてないんだろ?」

「お、覚えてます……っ!」

「へー、最後まで全部?」

「えっと、多分……」

先生としたのははっきり覚えてるのだが、途中で記憶が曖昧だ。

なんかいつの間にか寝ちゃったような気がする。

必死に思い出そうとしている私をしらーっとした顔で見つめる先生。


……やっぱり、私何かしでかしたらしい。

なんだろう、何したんだろう。

ダメだ、全然思い出せない。

「いいよ、思い出さなくて。ひなたには今度埋め合わせしてもらうから」

「う、埋め合わせ?」

そう言いながら何か企むかのような微笑むを浮かべる先生。

その意味深な微笑みが怖くて青ざめる私に、先生はそのまま部屋を出て行ってしまった。


……一体、今度何をさせられるんだろうか。










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