現代のシンデレラになる方法
それからというものの、昴が私の誕生日の話題を口にすることはなくなった。
どうやら私にとって禁句だと認識されたらしい。
だけど、それが自分で言っておきながらちょっと気まずい。
あぁこうして毎年、自分の誕生日がタブーなものとして扱われていくんだな。
毎年……?
果たして来年も、再来年も付き合っているのだろうか。
老いていく私に飽きて、もっと若くて可愛い子を見つけてしまうんじゃなかろうか。
そんな不安は、付き合った頃からずっと付きまとっている。
だけどもし、昴が他の若い子に目移りしたとしても私はきっとそれを止めることはできない。
そして、きっとそれを咎めることもできないんだろうな……。
そんな場面に遭遇してみないと分かんないけど。
だって、普通に考えて自分より年上の可愛げのない女より、若い子の方がいいに決まってる。
肌もピチピチで、きゃぴきゃぴしているだけで可愛い若い子の方が。
しかもちょっと頭足りてないような、頼りない感じの。
私は昴に頼ってるっていう感覚はあまりない。
私はこれで全然いいのだが、昴はこれでいいのか。
男だったらもっと頼られたいとか思うもんじゃないのか。
私、はこれからもこういう不安と付き合っていきなきゃいけない。
別に昴を信用していない訳じゃない。
私を好いてくれているのも知ってる。
だけどこればっかりはどうなるか分からない。
昴は若いしかっこいい。
昴からいくことはなくても女の子はいくらでも寄ってくるだろう。
あーあ、年下と付き合うって色々覚悟がいるんだな……。