現代のシンデレラになる方法
波乱の食事会
あれから相澤は変わった。
髪の毛をちゃんと整えてくるようになって、うっすらメイクをするようになった。
見た目だけではなく、人の目を見るようになったし、少しずつ言いたいことも言えるようになってきた。
そして一番嬉しいのが、よく笑うようになったこと。
今までは、常に何か困っているような顔つきだったのに。
今はそんな表情も和らいで、病院で俺と目が合うとはにかみながらニコっと笑うようになった。
そんなこともあってか周囲のスタッフの見る目も変わったようだ。
決して良いようにだけではなかったが……。
とある日の男子更衣室。
帰宅時間だけあって、若いリハ科や検査科の男子がうじゃうじゃいた。
「あの子、すぐにやれそうだよな。少し強引にいけばいけそう」
「ははっ確かに、ちょろそー」
聞く気はなくとも強制的に届いてしまう声。
あーあ、なんで、こんな下世話な話を大声でできるのか神経を疑う。
「しかも華奢な割に結構胸あんのな」
「なんで知ってんだよ」
「屈んだ時、シャツから谷間見えた。ありゃ、確実にDはあるな」
「お前、よく見てんなー」
「でさ、今度食事会あるだろ?声かけてみようかと思って」
「え?何、マジで地味子ちゃん狙ってんの?」
地味子ちゃん?
一瞬フリーズして、はっとして奴らの方を見る。
……これ、相澤の話だったのか。