現代のシンデレラになる方法
Chapter 2
とある看護師の独白
東條先生に片思いをして、かれこれもう2年になるだろうか。
結婚適齢期だというのに、30近くにもなってまだ先生のことを想い続けている。
もちろん彼氏だっていない。
そんな東條先生に初めて女の噂が流れた。
相澤、という地味な事務科の女子と一緒に病院に来てるのを見た、っていものだ。
あと彼女がお弁当を毎日作ってきているらしい、と。
まさか付き合ってるんじゃ、とここ最近外科ではもっぱらの噂で。
どうしても許せない外科ナース達のいびりが始まっていた。
だけど私も、納得いかない。
脳外から外科へ転属になった時、やっとツキが回ってきたと思ったのに。
外科のホワイトボードに載った、西原綾子という自分の名前のプレートを感慨深く見る。
そう外科には先生がいるのだ。
やっと、近くで働くことができる。
なのに、
なんで、あの子なの?
あんな子のどこがいいの?
正直、そう思ってしまった。
あの子が先生を見る目と、私が先生を見る目はさして変わらない。
あの子の気持ちより私の気持ちの方がずっと強いとさえ思う。
だって、彼女は今年入職してきたばかりじゃない。
私なんて、もう……、
ずっと先生のことだけを好きだったんだから。