現代のシンデレラになる方法
よしあとは誰にも気づかれないように……。
女子更衣室で上司や先輩が帰ったあとを見計らってこっそり着替える。
青に近い紺色のノースリーブのワンピース。
一番気に入ってる黒色のプラタのバッグを持って。
いやらしくない小ぶりなダイヤのネックレスに、カルディアのブレスレット。
私の中のコレクションからも選りすぐりの代物達。
完全に武装して向かう。
しかし、同僚にだってこんな目立つ格好は見られたくはない。
いつもはラフなシャツにパンツが多かったから。
こんな足なんて滅多に出さないし。
こそこそしながら女子更衣室を出ようとすると、運悪く外科の後輩達と出くわした。
「えっ、西原先輩!?めっちゃ綺麗ですっ!」
「えーっ、やばいやばいっ、足長っウエスト細っ、もうスタイル良すぎですっ。どっかデートなんですか?」
一応先輩だからもてはやされているのか、きゃんきゃん子犬のように喚きたてた。
だけどもしお世辞だとしても、嬉しいもんだ。
ちょっと照れくさい。
「ありがとう、今日はちょっと気合い入れててね。お疲れ」
そう言って彼女達の横を通り過ぎていく。