現代のシンデレラになる方法
「はい、さっきの。多分、間違えてないはず」
そう言ってこっそり渡された小さな紙袋。
その表にはさっきの雑貨屋さんの名前が。
ま、まさか……。
おそるおそる、中を見るとリボンに結ばれた小箱が入っていた。
もしかしなくても、これはさっきのピンキーリング……。
「えっ、もうやめてください……っ!」
「いやだって、今日お前のちゃんと欲しい物買えてないだろ?」
「そ、そんなことないです……っ」
「いいんだって。何か1つでも、喜んでもらえるものあげたかったから」
ちょっと照れたようにそう言う昴さん。
私はなんだか申し訳ないのと、嬉しさで胸がいっぱいになる。
「すいません、お家に飾らせて頂きます……っ」
「いや、つけろよ」
そう言って、昴さんは苦笑する。
結局、あちこちお店を周って、お茶する時間なんてなくなってしまった。
先生との待ち合わせの時間になって、3人で和食屋さんへ向かう。
すると店先にはすでに先生が来ていた。
私が一つ、西原さんも一つ、昴さんは二つ、ショップの紙袋を持っていた。
その買い物の量を見て驚く先生。
「今日そんなに買ったのか?一体、何買ったんだ?」
「そ、それが、お、お洋服を……っ」
「洋服ばかりそんなに?」
「は、はい……っ、あと、昴さんに今日の買い物代全部払ってもらったんです」
すると、すかさず昴さんが口を挟む。
「わざわざ言わなくていいって」
「でも……っ」
「悪いな、金使わせて」
「いいよ、本当にそんなに使ってないし」
そんなに使ってない……っ?
思わず耳を疑いたくなることを言う昴さん。