youth diaryーぼくらの物語ー
扉が開く音に、寝転がせていた身体を起こす。
さすがに人前では寝れないな…。
「始業式とかめんどくせーよー」
「ねみー…」
そう言いながら入ってきたのは茶髪のベリーショートの男子と黒髪のパーマかかったショートヘアの男子。
「来たなこのサボリ二人組 アンタらは何組なの?」
「「3組」」
3組か〜 花奏ちゃんと同じクラスだね、と言っている与辻先生の言葉に茶髪の男子が反応した。
「花奏ちゃん?」
「そうそう、黒瀬 花奏 この子よ」
そう言ってソファーの上に座る私を与辻先生は指さした。
先生、人を指でさしちゃいかんと習わなかったのかい?
と胸中でつぶやいている時
「花奏?」
名前が呼ばれた方に顔を向けると、驚いたようにこっちを見ている黒髪の男子と目が合った。
「あ…吏紗(つかさ)」
「ん?花奏ちゃん、九条くん知ってるの?」
「…うん、幼なじみ」
先生の質問にそう答えて使紗の前に行く。
茶髪の男子は状況が飲み込めないようで、私と吏紗をキョロキョロと見ていた。
「…久しぶり」
「あぁ、てかオマエいつ戻ってきた?」
「去年」
「そっか、オマエも3組なの?」
「うん」
「そっか」
吏紗はそう言うとポンポンと頭を撫でてくれた。
「じゃあ、幼なじみとも同じクラスなんだから今日はちゃんと教室に行きなさい」
先生はそう言うとはい!と私の荷物を取って持たせた。
「今日っていつまで?」
荷物を貰いながら先生に聞くと、先生は「確か昼までじゃない?」と教えてくれた。
昼まで…長いな…。
「ふーん…しつれーしましたー」
そう言って3人で保健室を出る。