【短編】 たたり
 ぼくは。

 ぼくの目は、電信柱にぶつかってどうしちゃったんだろう。

「大丈夫?」

「大丈夫なわけないよ! なんだよこれ!街中お化けだらけじゃないか!」

 ぼくが叫んでも、吉田さんはきょとんとしていた。

 ああ、やっぱり。

 こんな光景を見ているのは、ぼくだけなんだ……






 ……と思った時。






 吉田さんはため息をついた。



「当たり前じゃない」




「……は?」

 



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