【短編】 たたり
「伊藤君が気がつかなかっただけよ。
 今までもお化けはいっぱいだったし。
 これからもずっとこうよ。
 ……たぶん」

「……もしかして、吉田さんも見えるの?」

「うん」

 吉田さんは、あっさりうなづいた。

 それが、あんまり何でもなさそうなので、かえってぼくは、驚いた。

「こわくないの?」

「こわいわよ。近寄るとタタって来る奴も多いしね」

「タタる!? なんだよそれ!」

 吉田さんは、もう一度ため息をついた。






 
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