【短編】 たたり
 お化けにつかまったのかもしれない!

 ぼくはこわくて気が遠くなりそうになった。

「は、放せっ! 放せ! 放してぇ」

「落ち着いて、伊藤君。ダメだってば!」

 めちゃくちゃに暴れるぼくの腕をしっかり持っていたのは。

 ……吉田さんだった。

「そっちに行くと、悪いモノに触っちゃう!」

「……悪い……もの……?」

 すごくいやな予感がする。



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