愛してるのに…
16
ソファーに座り
ため息をつく。

大きな大きなため息。

藤ヶ谷のこともりんのことも
ぜーんぶため息で忘れれたらいいのに。

なーんて訳の分からないことを考える。

俺が全部いけないんだ。

わかってる。ちゃんと。

藤ヶ谷を好きになった俺が悪い。

握りしめた拳になにかが落ちる。

頬を伝う雫。

俺…泣いてる…

悲しいんじゃない。悔しいんだ。

結ばれることなんてない相手を
好きになってしまった。

愛してしまった。

それも、こんなにも深く。
愛してるよ藤ヶ谷。

いっそのこと2人で外国いって
結婚式あげるか。

北山 ありえねーよな…

つぶやいた自分の声が
誰もいない静かな部屋に
ただただ消えていく。

とめどなく溢れる涙。
止まらないんだ。

ソファーから、床に崩れるように座った。

膝を打ちつけたのなんて 
どーでもよかった。

ただ…藤ヶ谷に愛されたい。
メンバーとして、仕事仲間として。
そんなんじゃなくて
1人の恋人として。


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