愛してるのに…
2
パシャっ!力シャっ

眩いライト。
カメラの音。

撮影に集中できないくらい
藤ヶ谷との距離が近い。

カメラマン もっと近づいてー

は?近づけとか、俺の心臓もたねーし汗

俺の気持ちを知ることもなく
密着してくる藤ヶ谷。

息がかかるほど近い…

なのにまたあの声

カメラマン もうちょっと近づこっかー

藤ヶ谷との距離がまた縮まる。

心音を感じる距離。

鍛えられた胸筋にドキッとする。

カメラマン 抱き合ってー

藤ヶ谷は照れながらも
笑顔で抱きついてくる。

背中に腕を回し俺も笑顔をつくる。

「北山。顔ひきつってんぞ?
 俺とハグいやか?(笑)」

「ち、ちげーよ」

ふと触れた背中。
すごく男らしくて。
心臓が飛び跳ねた。

だんだんのってきた藤ヶ谷は
キスをするように顔を近づけてくる。

撮り方によっては
してるように見える角度。

藤ヶ谷…。

俺、お前を愛してる。


届くはずもない思いを
心の中で叫んだ。


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