純愛ハート
第1章

反則

「平石、パス!」

放課後…北風中学校のサッカー部がグラウンド駆ける。

プロから見れば“ただの中学校のサッカー部”だが……

ある少年にパスが渡った瞬間、グラウンドの雰囲気が変わった。

「平石ー!」

ズバッ…と爽快な音をたてて、ボールがゴールキーパーの腕をすり抜け…ゴールに吸い込まれていった。

「さすが平石だな!」

「んなことねぇーって…」

彼は平石 彼方。中3。

涼しげな顔立ちにすば抜けた…サッカーの上手さを備えた北風中学校のエース。

「彼っ……」

「彼方先輩♪」

あたしの言葉はある女の子によって見事に遮られてしまった。



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