純愛ハート
いちいち、反則ですよ…

「平石先輩、練習に戻って下さい…」

「いいんだよ、部活が終わるまで仁科さんのそばにいるよ」

辺りはもうオレンジ色に染まってた。

「ミーティングには出てほしいんです…」

「……分かった、安静にしててね」

彼方先輩はあたしの頭を軽く撫でた。

「平石先輩…頑張って下さい!」

彼方先輩はドアの前で止まった。

「彼方先輩って言ってほしいなぁ。平石先輩って堅苦しいから、ね?」

「彼方先輩…頑張って下さい!」

あたしはブンブン手を振った。

「ありがとう…真優ちゃん」

バタンッ…

『真優ちゃん』

初めて呼んでもらった…

ドキドキが止まらないよー…

彼方先輩、いつも反則ですよ…

あたしは熱い顔を押さえ、眠りに入った─……


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