赤い電車のあなたへ
後から来た子ども達からお花をいっぱいもらえて、気分の悪さも吹っ飛んだ。
こんなにたくさんの人にお見舞いに来てもらえて、たくさんの優しい気持ちが心地いい。ポロリと涙が出そうになっても、みんなを心配させたくないから我慢した。
「ありがとう……きっと元気になってまたみんなと遊ぶからね」
わたしが約束すると、子ども達からわあっと歓声が上がった。
「お姉ちゃん約束だよ!」
「まりおねえちゃんがいないとさびしいもん。げんきになってまたあそぼうね」
「それまであたしお店ばんするよ!」
子ども達から次々と思いやりに満ちた言葉をかけられ、わたしはもう我慢出来なくて「ありがとう」と泣いた。
今までわたしが生きてきた中で、居場所なんてなかった。
いてもいなくても変わらない、空気よりも軽い存在。そんなわたしに誰も手を差し伸べてなんかくれなかった。
でも、わたしはうずくまるだけで自分から何かをしようなんて努力せず、ただいじけてただけ。
すべてを他人に責任転換して、被害者ぶってただけだ。
“わたしって可哀想。わたしはこんなに不幸なんだ”そんなふうに浸っていれば気が楽だったし、自分を甘やかせられた。