赤い電車のあなたへ



でも、他人と関わらず逃げて殻に閉じこもり、他人を責めるだけで何もしない。そんなわたしに成長も変化もあるはずがなくて。


わたしは小学生からずっとずっと変わらなかった。自分から成長の機会を放棄してた。


つらいことがあれば、すぐに甘えて逃げて。


そんなわたしに最後に友達がいたのは、いつだったろう。


幼い頃のわたしはきっとこうじゃなかった。もっと素直に喜怒哀楽を表に出して、打算や計算なんてしなくて。


もっともっと純粋に単純に物事を捉えて、自分から積極的に動いてた。


だから、友達もちゃんといて。6歳のお誕生日はたくさんの人からお祝いしてもらえたんだ。


成長するごとに殻に閉じこもるようになったわたし。


昔のわたしなら、たとえ知り合いが風邪をひいても、わざわざお見舞いに行こうなんて発想もしなかっただろうな。


でも、今は。誰かに優しさをあげたいと素直に思う。


みんなにこんなに幸せをもらえたから、わたしも誰かに分けてあげたい。


この幸せな気分を。

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