赤い電車のあなたへ
「鞠お姉ちゃん! ケンパで遊ぼうよ」
夏休みに入ってすぐにぺんぎん屋のアルバイトにいそしむ。
子どもたちとはすっかり顔見知りになり、遊ぶというより遊ばれてる気がしないでもないけど。
わたしは友達が少ない子ども時代を送ったから、最初はどんなふうに遊べばよくわからなかったけど。子どもたちがいろんな遊びを教えてくれた。
ゴムとびにケンパにケイドロ。わたしも夢中になって遊んでしまう事もしばしば。
子ども時代、もっと友達を作れば良かったなと今さら思う。
でも、今はそれを取り返してるのかもしれない。
ケンパはかかしみたいな不思議なものを○△□で組み合わせて書き、石を投げて片足でケンケンしながらすすむ。確かこんなルール。
「ケンケン、パッ!」
石を投げ入れた場所は踏んじゃダメだから、順番が後ほどキツくなる。線を踏んだり石を拾えなくてもアウト。
片足ですすむバランスが難しいよ~。わたし運動音痴だから。なんてちっちゃな子どもの前で弱音は吐けないから、頑張って片足で跳んで……早速アウトになった。
「鞠お姉ちゃん、次は頑張ってね!」
「……うん」
十歳下の里香ちゃんに励まされてしまいました。とほほ。