赤い電車のあなたへ
多香子さんが旅館に連絡を入れてくれ、すぐに龍治さんやほたる、夏樹までもが駆けつけてくれた。
心配げな龍治さんは松田先生から説明を受け、安堵の息を漏らしたけど。わたしは居たたまれなくて彼に頭を下げた。
「ごめんなさい! わたしのせいで龍太さんは崖から落ちてしまったんです……本当にごめんなさい!」
わたしは申し訳なさから歯を食いしばり、震えながら謝った。
涙が出そうだったけど、わたしは我慢した。泣くのは龍太さんが目を覚ましてから。
そんなわたしに龍治さんは言う。
「そこまで言うならちゃんと責任を取ってもらおうかな?」
龍治さんがそう言うのもあたりまえだ。故意ではないとはいえ、人が傷ついたんだから。
わたしは覚悟をして龍治さんに訊いた。
「は……はい! もちろんちゃんと責任は取ります。ええと……いくらお支払いすれば? 金額によっては待っていただけるでしょうか? あまり持ち合わせもないので」
わたしがそう話すと、龍治さんは手をブンブン振って否定する。
「違う、違う! お金じゃないの。責任を取るなら龍太と付き合ってやって、って意味」
「え……?」
龍治さんの喋ってる内容がすぐには理解できなかった。