帝国湯へ、いらっしゃい
時計は23時半
「琴、もう1回やろう」
「いいよ」
「まだ、やんのかよ…」
付き合ってられん、とゴンちゃんは帰った
―――
「はい、詰んだ」
「くっそー」
「今日は五分五分だったね」
「だな」
んーと伸びをした
「掃除するか」
すっかり風呂掃除も慣れた
家の掃除はロクにしないくせに
庭の引き戸を締めて
暖簾もしまってから正面玄関に内鍵をかける
今までは俺も正面玄関から帰ってたけど
掃除の日は裏から帰ることにしてる。二度手間だし
最後に男湯の電気を消した
あとは女湯だけ
「琴、終わった?」と、女湯に行ったけど
「あれ?どこいった?」
あ、いた…
「終わった?」
琴は浴場にいた
「写真?」
「うん」