帝国湯へ、いらっしゃい
勝負
明日は四十九日
俺は上級編の本を読むまでになった
「龍ちゃん」
「ん?」
本を片手に研究中
「何を賭けるのか教えろよ」
「教えない」
「なんでだよ。教えろよ」
「やだ」
パチン
「ったく、お前も教えないのかよ」
「俺の場合は賭けっていうか、願掛けみたいなもんだから」
「………それ…」
パチン
「それ、タケも言ってたかも」
「え?」
「タケさんは賭けたんじゃないの?」
「あーちょっと待て。記憶が………」
「思い出してよ!」
「あー……あれ?賭けたんだっけな?どっちだ?」
「すっごく大事なんだから!頑張ってよ」
「そんな無理難題を年寄りに言うなんて」
…………ま、そうだよね
「龍ちゃんの賭けの内容を知れば、思い出すかもなあ」
「その手には引っかからないよ」
「くっそう」