帝国湯へ、いらっしゃい
「龍ちゃん、将棋やるぞ」
「あれ?タケさん、いつ出た?」
この年代の人達は気配を消すのがうまいな
「タケ、好きだな~」
「オレは友達ができたら、まずは将棋をするんだ」
……友達だったのか。別にいいけど
「ほら、こっちに来い」
風のない縁側に
年配の男性と若者
その様子を見守る、年配の男性
「始めるぞ」
「うっす」
――――
「「嘘だろ!?」」
「……面目ないです」
「龍ちゃん、弱すぎだな」
「いや、今の子はこんなもんだろ」
くっそー惨敗だ
「サウナも期待できねえなあ」
このまま引けるか
「時間…」
「「あ?」」
「時間ください。将棋の勉強してきます」
「お?」
「絶対にいつか勝つ!!」
「「おお」」
「頑張れ、若者」
「言っておくけど、タケはプロ手前までいったヤツだぞ」
え゙゙
……倒せる気がしない