帝国湯へ、いらっしゃい
「琴、午後は?」
「あー休憩の手伝いかな。宵宮何時?」
「18時」
「分かった。あとでね」
……………聞きたいことが沢山あるが
知らないワードもあったが
とりあえずは焼きそばを作ることだけに専念しようと思い
何も聞かずにいた
「あっちで食べよ」と誘われるがままに琴ちゃんに付いて行ってベンチに座った
腹減った
赤飯なんていつぶりだろう
箸を動かしてたら
「龍ちゃん」
「ん?」
「デート、本当に行くの?」
「ああ」
「なんで?」
「……同じことをまた言わせるのかよ」
「だよね」と言って手元のウーロン茶のペットボトルをいじってる
俺はこいつのこと
何も知らないが
「本当は何が聞きたい」
「……え?」
「言い方変えようか?」
「………いい。言わないで」
ほら、またそうだ
「人には聞くくせに、自分のことは誤魔化して、はぐらかすんだな」
「!!なっ!」
「デートしたくないなら、ハッキリ言えよ」
「……………べ、べつに…」
俺、何言ってるんだ
「戻るわ」と言って立ちあがった
「龍ちゃん」
…………
「言いすぎたな。悪い」
それだけ、顔を見ないで言った
さあ、気を取り直さないと
焼きそば売らなきゃ