帝国湯へ、いらっしゃい

脱衣場でパンツとズボンだけはいて
頭をふいてたら、琴ちゃんが戻ってきた

「龍ちゃん、はい」と缶コーヒーくれた



「あと、あの、今日はありがとね」

「どういたしまして」


思いきって聞いてみたい

「2回目は?どこに行こうか?」


これでオッケーなら、かなりいい感じなんだけど


「えーと、か、考えておくね」


お。イケましたね



それにしても
……………

「琴」

「……」


「琴、こっち見て」

「……」


「なんで、見ない?」

「あの、服を着てください」


……何を今さら


クイッと顔を無理矢理向かせた

「……ね、惚れた?」


証拠はないけど


「なんで、見ない?」


確信もないけど


「散々、男の裸を見ても平気な女が」


たぶん


「俺の裸が直視できないのは」


こいつは


「惚れたから?」


「~~――う、」

う?


「自惚れてない?」


何言ってるんだ


「自惚れるさ」



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