お姫様と若頭様。2nd



それから得た情報。


私がヨルに会ったあの日から、
3ヶ月が過ぎたらしい。


学校は行っていなくて
日付もわからなかった私。


ここにはテレビや時計やカレンダーなど
物がとにかく少なくて、私が日付や時間を知る手段はなかったというわけだ。



それがあいつの意図したことかどうかは
わからないけれど。





それに、勿論、ここから出ていないから
仕事も全くしていない。


家のことも。紅蓮のことも。




全てを投げ出して、
そんな表現がぴったりなこの現状。


まさに、自ら望んで籠の中の鳥になった
馬鹿な女のようだ。




出して、なんて言葉が浮かんだことは
一度たりともなくて。


それは紅蓮やヨルに対する恐怖や罪悪感だとわかっているからこそ、
弱い自分に気づかされることばかりだ。





"自分の闇を、
今まで以上に確認させられる場所"


ここは私にとってそんな場所だ。


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