お姫様と若頭様。2nd
少しの間紅蓮のことを思い出して
トリップしていた私だけど、
ガラッと襖の開く音で
現実へと引き戻された。
「「「お疲れ様です、組長」」」
厳つい顔の人たちが頭を下げ挨拶をする
この光景に慣れつつある今、ここにいる人達は特別なのだと薄っすらわかった。
体格がさっきの人達の比じゃないし、
雰囲気だって一般人とは
かけ離れ過ぎている。
そんな中堂々と歩く赤司はやはりここの
組長-Top-であり、実力者。
たとえ卑怯と言われるこの組でも、
赤司は確かに尊敬されている。
それはここにいる人たちの視線や、
態度に示されているから。
私は、きっと赤司を勘違いしていた。
いや、もしかしたら見くびっていた。
赤司はただ力で支配するだけの、
"本当の実力者"ではないのだとーー。