お姫様と若頭様。2nd
交わらない
私たちの過ごしたひと時は、
私たちの人生の長さから言えば
ほんの一瞬だったのかもしれない。
たとえこの先どんな辛いことがあっても
乗り越えてゆける、
そんな風に言えるほど強い幸せな記憶があったわけでもなくて。
だけど確かに存在した私たちの時間は、
どんなに小さくて弱いものだったとしても私を変えた確かなきっかけだった。
もしあの頃に戻れるとしたら、
私はあの時の私にこう言っただろう。
"永遠なんて言葉、
どこを探したって見つからない"とー。