お姫様と若頭様。2nd






「……ホントに、ただの気まぐれ」




嘘…。


彼を総長のままで
いさせてあげたかったから。

私を庇ってせいで勝手に役を交代。
そんなの彼の最後に相応しくない。


そこで私が独断でやった。

多分私以外の幹部でさえ知らないこと。



紅蓮は顔が割れていない族だ。

つまり、誰かがいなくなったとしても
バレることはない。

私たちに呼び名はあるけど本名は
誰にも知られていない。

知るのは紅蓮のメンバーのみ。
















現総長は私。







そして彼の"2人"だ。







「どうせ彼のこと見つけたのだって
本当に偶然でしょ?」


「あぁ。
族の喧嘩・ヨルという名前・銃。

この全て合致する奴がただ1人。

お前らが偶然ヨルと呼んだのが
今回の重要な点だ。


お前だって調べようと思えば
調べられただろ?


なんたって財閥の力があんだから」


「彼のとこから私の情報も盗んだのね」


「いーや、名前だけだな。

顔は知り合いの奴が財閥関係で
お前を知っててな。

まぁ変わった名前だから
検討はついていたが」



…ホント、どこまでこいつの情報網は
幅広いんだか。




私と彼が総長をしてることまで
知っているなんて…。



「あいつの病室に
特攻服が置いてあった。



そして総長の紋章も。


あれは引退と共に回収される物だよな?

現に過去に先代が抗争に参加した時
前総長や幹部は紋章をしてなかった。


全部、俺と闇虎の情報だぜ?」


紅蓮のことを國館に調べさせたのか…。





「…もしその情報バラしたら
ただじゃおかないから。



それに…彼に何もしないで」


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