お姫様と若頭様。2nd
Take30
「…ぃ………ャッ……」
たとえこの声が届かないとしても、
望んでしまうのは
仕方のないことでしょう?
(……ヨル…ヨル…)
図々しいって思うでしょ?
馬鹿馬鹿しいって思うでしょ?
今更だって、怒るでしょ?
もう嫌いだって、思ってるでしょ?
もう好きじゃないんでしょう??
この恋が叶わないことが私の彼に対する報いなら、私は喜んで受けよう。
だけど、辛い、なんて…思ってしまうのはあなたのことがまだ好きだから。
今彼のことを思い出すなんて、
まるで走馬灯を見ているみたい。
…死ぬわけではないのだけれど。
もしあの時みたいに…彼が私の太陽になってくれたら…。
こんな影にいる私も見つけてくれるの?