お姫様と若頭様。2nd

病院にいるはずのあなたがなぜここに、
とか
なぜ1人で来たか、
とか
なぜここにいることを知っているのか、
とか
聞きたいことは山ほどあった。






























だけどーー





「なんで…何しに来たの?」


もうあなたには、関係ないのに。


いや、初めから彼には関係のないことだったのだ…私の家のことなど。



知らず知らずの内に眉間にシワが寄っていたのがわかり、私自身彼との再会を嬉しいと思うだけではないのだと感じた。






だって彼に、知られてしまった。



"こっち"の私を。


彼といた時とは全く違う態度。

声は低くし、ほんの少し殺気を含めた瞳を彼に向ける。

それだけで彼には私の変化が見て取れただろう。


私は彼といる時はいつも穏やかに話していたように思う。

それは彼の雰囲気がそうさせていたし、
私と彼は信頼しあっていたから。



だけど、今の私と彼の間にそんなものはきっと存在しなくて…。




こんな汚い私を、知られたくなかった。




彼の記憶の中だけでも、綺麗でいたかったと思うのは卑怯??

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