お姫様と若頭様。2nd
ー次の日ー
赤司に渡された服に着替えて
ある病院を訪れた。
久々の外に少し目眩がしたのだが…。
赤司は迷うことなく足を進めて行き、
一つの病室の前で足を止めた。
そこにかかっているプレートに
久々に見る彼の名前。
そっと手で触れてみると
何かがこみ上げてくるような気がした。
それはきっと…愛おしさ。
ーガラッ
赤司が迷わず開けるとそこはやはり
私が大嫌いな白い世界が広がっていた。
壁も、天井も、床も、ベッドも、
全て真っ白。
…私が、浮いてしまう色。
「あっ…」
私の息を止めたのは、
たくさんの管に繋がれる彼の姿。
彼の存在を確かめたい一心で
彼に近寄る。
久々のこの、綺麗な顔。
ただあの頃と違うのは、
生気をなくした青白い肌。
前はあんなにも血色が良かったのに、
まるで息をしていないみたいで…。