お姫様と若頭様。2nd
「…何してんだ?」
「う…うん。
ちょっと久々で緊張してるだけ。
相変わらず綺麗な顔だなって…」
私が彼を、不幸にした。
「……ごめんね…ヨル…」
あの日以来、初めて呼んだ彼の名前。
私なんかが呼んではいけないと思った。
でも今だけは…どうか許して欲しい。
「償うから…私…。
一生、償うから…。
私があなたの代わりに盾になるから…
だからもう、
あなたは盾になったりしないで…」
ずっと、ずっとそう思っていたの。
私が皆の前に立って皆を庇い続けたのは
彼への償い。
あの時の、彼の代わりだったの。