...向日葵と真夏の片想い*
「よっ! おはよう愛夏ちゃん!」
学校の門を潜ると真っ先に俺の隣まで走ってきたのは親友の春木 龍。
俺の肩にポンと手を置くと、愛夏にだけ挨拶をしている。
「お……おはようございます!」
「やーやー愛夏ちゃん、あんまり固くならないでいいよ~」
どうやらここは2人の会話が成立しているようだ。
「俺に対する挨拶はないのかよ……」
「まあまあそんなに怒るなよ、悠ちゃん!」
「悠ちゃんって呼ぶな……」
龍には俺の本名である"悠真"で呼べと言ってあるにも関わらず時々ふざけて悠ちゃんなんて呼んでくる。
愛夏以外に悠と呼ばれるとなぜかしっくり来ない。
そんな理由で今まで付き合ってきた友人達には"悠"と呼ばせたことがないのだけれど。