...向日葵と真夏の片想い*
ゴホゴホッと咳込んでから龍の方を見る。
「ごめんごめん。
でも悪い気はしないでしょっ?」
「ああ、まあな」
確かに悪い気はしなかった。
でもさすがに茶を飲んでるときにそんなこと言わないでほしい。
しかもここ教室だし、愛夏にも聞こえて……ないことを祈る。
「それにしても俺だって悠真みたいにモテたいな~。
今日なんか悠真がボール持ってるとき女子の黄色い歓声でいっぱいだったじゃんか」
黄色い歓声。
実はあの声は耳に響くからそんなに好きじゃない。
……女子の事情なんてものは良く知らないけど愛夏も他の女子みたいに俺のことを見ていてくれたのだろうか。
そんな風に見ていてくれたら……と思うと、胸がドキンと跳ねた。