空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
あたしが祐輔から指名されたことが、気に入らないんだろう。
エカテリーナ大森をはじめ、みんながこっちを睨んでる。
嫉妬のこもった視線がプスプスと、あちこちから突き刺さってきた。
・・・・・・なにさ!
あたしだってね、好きで指名されたんじゃないもん!
そんなに羨ましいなら、今すぐ代わってやるけど!?
そう思いながら睨み返すと、由依と視線が合った。
困惑した顔であたしと祐輔の顔を見比べ、心配そうにあたしを見てる。
(大丈夫? 佳那)
(う、うん。大丈夫だよ)
目で会話しながら、あたしは無理に笑って見せた。
由依には心配かけたくない。
祐輔とケンカしてるのかと、勘違いされても困るし。
そんなんじゃないから心配しないで、由依。大丈夫だよ。
当の祐輔は、すました顔をして前を向いてる。
その、あたしのことなんか気にも留めていない様子を見てると、余計に頭にきた。
・・・・・・こんのやろー。
いったい何だっての!? 後で覚えてろよぉぉ!
ムカッ腹を立てながらも、心の片隅では祐輔の態度が気がかりだった。
本当にどうしちゃったんだろう?
ねぇ、大樹・・・・・・。