空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

とりあえず、決まってしまったものは、どうしようもない。


あたしは委員長から用紙をもらって、さっそく下描きに取り組んだ。


よし! やるぞ!

面倒なことはサッサと片付けてしまおう!


と、意気込んでみたはいいものの。


・・・・・・しまった。

あたしって、美術は2だったんだ・・・・・・。


用紙を前に、手はピクリとも動かない。


自分の頭を抱えるだけだ。


由依が少し手伝ってくれたけど、基本的に由依も絵は苦手な方で。


お互い何の案もなく、部活の時間がきてしまった。


「ごめんね佳那。手伝えなくて」


「ううん。ありがとう由依。大丈夫だから部活に行って」


申し訳なさそうな由依を、笑顔で部活に送り出す。


由依が見えなくなってから、カクンと頭を下げ、ため息をついた。


はあぁぁ~~。だから無理なんだってば。


こーゆーのって、適性ってのがあるんだよ。


あたしに絵を描かせるなんて、小鳥のエサにキャットフードを与えてるようなもん。


行き着く先は、不幸な結末しかないと思うんだけど。

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