空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

思い余って、日の丸の図案を下描きして担任に渡した。


そしたら、ひと目で却下されてしまった・・・・・・。


おまけに「ふざけてるのかお前は」って、丸めた用紙で頭をポカッと叩かれた。


ふざけてないもん!

日本の国旗の、どこがふざけてるのさ!


心の中でぶぅぶぅ文句を言いながら、教室に戻って、また頭を悩ませる。


うんうん唸っているうちに、窓の外はどんどん日暮れていった。


もう教室には、あたし以外は誰も残っていない。


あぁ、どうしよう。

担任には絶対に今日中に提出しろって言われちゃったし。


帰るに帰れない。


まさか徹夜? 徹夜か?


あたし、今日はここにお泊りか!?


ひええ! 深夜の学校って、怪談話の宝庫だよ!?


ひたすらアセっていると、教室のドアが開く音がした。


「どうだ? 順調か?」

「祐輔!」


制服姿で、すっかり帰り支度を整えた祐輔が立っていた。


え!? もうそんな時間なの!?


うわあ、どうしよう! まだ全然なーんにもできてないよー!


「どうなんだよ? 作業は順調なのか?」

「おかげさまで絶不調!」


あたしは噛みつくような勢いで祐輔に叫んだ。

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