空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「あの、簡単な理由って言うわりに、ひとつも理解できないんだけど?」
「佳那は、自分で気付かなきゃならない」
「気付く? なにに?」
「言ったろ? それは自分で気付かなきゃ意味がないんだ」
禅問答、継続中・・・・・・。
意味が分からん。
限界だの、変われだの、気付けだのと。なんじゃそりゃ?
「それって、あたしの中庭での時間を邪魔することと、関係があるの?」
「ある」
「なんの関係?」
「佳那」
祐輔は真っ直ぐにあたしを見た。
そして、真っ直ぐな目で言った。
「永遠なんて、無いんだよ」
「・・・・・・!」
祐輔の言葉が、嫌な音をたてながら心臓に突き刺さった。
胸の中を、不安という名の不快な痛みが走る。
・・・永遠なんて、無い? それどういう、意味?
「・・・・・・あぁ、ちょっと違うな」
言葉を失ったあたしを見ながら、祐輔が軽く髪をかき上げた。
「正確には、佳那が信じる形での永遠は、無い」
「なに・・・それ・・・・・・」
「佳那、あの中庭は・・・・・・無くなることが決まった」