空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

・・・・・・・・・・・・!!


中庭が・・・・・・無くなる!?


ショックで声が出てこない。


息を吸い込んだまま硬直した。


見開かれた目で祐輔に問いかける。


なんで!? どうしてっ!?


「庭をつぶして、新しい設備の管理室を造るんだとさ」


「そんな・・・・・・!」


「自治会で決定した。来月から工事が始まる」


あたしは息を飲み、口元を両手で覆った。


来月!? そんな急に!?


そんなのヒドイよ! 突然すぎる!


震える胸に、いろんな思いがよみがえる。


花壇の花。緑色の芝生。


小さな人工池。白いベンチ。


誓いの言葉。誓いのキス。


大樹の優しい微笑み。


どれもこれも、かけがえのないあたしの宝物。あたしの永遠。


あれが全部なくなってしまうの!?


大樹。


大樹、大樹、大樹、大樹・・・・・・。


「嫌だ!!」


あたしは叫んでいた。
< 111 / 244 >

この作品をシェア

pagetop