空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
制服の上から、指輪を握りしめて必死に訴える。
「な、なんとかしようよ祐輔!」
「なんともならねえよ」
「なるよきっと! なんとかしようよ!」
あたしは祐輔の腕にすがり付いた。
思い切り指に力を込めて、懸命に頼み込む。
なんでそんな冷たいこと言うの!?
あの場所は特別な場所なのに!
永遠の庭なのに!
「佳那の信じる永遠は、無い」
「そんなの嫌だよ!」
「お前が知らないだけだ。気付いていないんだよ。変わっていくものに」
変わったりなんかしないよ! その必要も無い!
あたしも! 大樹も!
あの中庭も変わってはいけないんだ!!
必死のあたしを、祐輔は憐れむような目で見ている。
「もう・・・限界なんだ」
「限界なんか、ないよ!」
「佳那じゃない。オレがもうダメなんだ。・・・・・・オレは佳那が、好きだ」
「そんなの知ってるよ! だってあたしたち、親友同士じゃん!」