空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

全部話し終わった時、あたしは泣いていた。


まるで子どもみたいに。


でも話しているうちに、ちょっとだけ心が落ち着いたみたい。


口に出して話すって、それだけで楽になることもあるんだなって知った。


グスグス鼻をすするあたしの泣き声を聞いて、由依は心配そうに聞いてくる。


『佳那、大丈夫?』

『う、うん。少し、落ち着いたよ』

『佳那・・・・・・』


心配そうで、そして、とても優しい声が耳に届いた。


『大変だったね。あたしに話してくれて、ありがとうね』


・・・・・・・・・・・・。


由依・・・・・・。


涙で、声がつまった。


話を聞いてくれる人がいる。

悩みを話すことができる。

心のつらさを、なぐさめてくれる。


それは・・・


言葉にできないほど、幸せなことなんだ・・・。


由依、ありがとう。


聞いてくれてありがとう。


友だちになってくれて、ありがとう。

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