空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

親友の彼女。


想いは伝わらない。伝えられない。


伝えては・・・いけない。


まるで刃物で切り裂くように、自分の想いを責めて、責め続けて。


『祐輔の気持ち、佳那は受け入れるの?』

「そんなこと、できないよ!」


あたしはすぐに答えた。


混乱はしてるけど、それだけはハッキリ分かる。


あたしは祐輔の気持ちに応えることは、できない。


だってあたしはもう、大樹に永遠の愛を誓ったんだから。


その誓いを破ることはできない。


そんなの、それこそ責められるべきことだと思う。


「それは祐輔だって分かってると思うんだ」

『そっか・・・・・・』


変わらないんだ。


あたしと大樹の永遠の誓いはぜったいに。


なのにどうして祐輔は、あんなことを言い出したの?


あたしの信じる永遠は、無いなんて。


変わるものに気付けだなんて。


ほら、やっぱり変わらないんだよ。なにも。


あたしはずーっと、このままで。


大樹と一緒に生きていくのは、決まっていることなんだから。


< 120 / 244 >

この作品をシェア

pagetop