空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
「ごめんね由依。いっぱい相談しちゃって」
『そんなのいいよ。いつでも電話して』
由依に何度も感謝して、あたしは電話を切った。
そしてふぅっと息を吐く。
問題が解決したわけじゃない。
でも、電話をする前とは、比べものにならないくらい心が軽くなっていた。
本当に由依に打ち明けて良かった。
由依がいてくれて良かった。
明日、学校で祐輔と会うと思うと、気が重いけど。
でも隣に由依がいてくれるなら、なんとかなりそう。
そうやって過ごしていこう。
気まずいけど、時間がたてば・・・。
また祐輔と元通りになるかもしれない。
いままでと何も変わらずに、これまで通りのままに過ごせるように。
ね、大樹。そうだよね?
それが一番いいんだよね?
あたしは指輪に向かって話しかけた。
さっきはなんの返事も聞こえてこなかったけれど。
今度は大樹が、うなづいてくれているような気がする。
そしてあたしは、なんだかとても安心した。