空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

しゃくり上げる声が、教室に響く。


あたしと祐輔ふたりだけの、ガランとした教室に。


他には、誰もいない。


慰めてくれる人は、誰もいない。


だからあたしは、ひとりで泣くしかなかった。



「もっと早く言うべきだった。でも、怖かった」



ひとしきり、あたしの泣き声を聞いていた祐輔が、また話し出す。


後悔しているような声で。



「お前がまた、あの頃みたいなっちまうんじゃないかと思って」



あの頃って・・・・・・。


大樹が死んだ直後のころだろうか?


声も、表情も、希望も失った、人形のようだったあの頃。



このまま死んでしまうんじゃないかと、周りのみんなが心配した。


もちろん祐輔も。


あたしがまた、あんな風になってしまうのが怖かった?



「だから、あの中庭で幸せそうな佳那を前にして、いつもなにも言えなかった」


「・・・・・・・・・・・・」


「佳那が笑っているのなら・・・それでいいと、思ったんだ」

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