空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
それでいい。
好きな人が笑っているなら、それだけでいい。
他には何も望まない。何もいらない。
あたしも、そうだった。
大樹が笑顔でいてくれたら、それだけでよかった。
「でもお前は、いつまでも・・・・・・」
あたしは、いつまでも。
いつまでも変わろうとしなかった。
大樹に話しかけ、自分に都合の良い答えを作り出して。
クラスにも溶け込まず。
仲良く接してくれる友だちからの誘いも、いつも無視して。
心地良い殻の中に閉じこもるように、『永遠』と名付けた庭で夢を見る。
いつまでもいつまでもいつまでも。
そんなあたしを、祐輔はもう見ていられなくなったんだ。
限界だと思った。
だからあたしが傷付くことを承知で、告白したんだ。
止まってしまった時間から、目をそらし続けるあたしに。
『お前が信じる永遠なんて、ないんだ』 と。
それは・・・・・・辛い選択だったろう。
想いを秘めても、辛いだけ。
想いを告げても、辛いだけ。
それでも告げずにいれば、まだ祐輔の心は楽でいられたかもしれないのに。