空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

どんなに悔しかったろうと思うよ。


どんなに辛かったろう。どれほど悲しかったろう。


この世に生まれた者が、生きる。


そんな、当たり前のことすら許してもらえなかったとしたら。



真っ赤な血を流しながら生きたいと望み、大樹は戦った。


そして苦しんで、苦しんで、苦しみ抜いて・・・


結局そのまま、死んでしまった。


なんの望みも果たせないままで。



・・・・・・そんなの、あんまりだよ。


どうして受け入れられる?


『死んでしまったんだから、しかたがないから諦めろ』なんて。



無理だよ。そんなの。


そんな言葉を受け入れるには、あまりにも大き過ぎるんだ。


大樹のこれまでの戦いと、苦しみと、悲しみが。


存在そのものが。



だから、せめてあたしが守るんだ。


大樹の意思と希望を。


大樹が望んだ永遠の誓いは、今もこの世にしっかりと生き続けているって。

< 157 / 244 >

この作品をシェア

pagetop