空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
繰り返す日
嫌じゃなかった。
大樹じゃない人にキスされたのに、嫌じゃ、ないなんて。
あたし、まさか、いつの間にか・・・
祐輔に惹かれていたの?
・・・そんな、そ、んな・・・・・・。
ショックで、あたしは首を横に振った。
祐輔の言葉を認めているのか。
それとも、自分の気持ちを否定しているのか。
自分でも、もうよく分からない。
とにかくあたしは、小さく首を横に振り続けていた。
「佳那」
祐輔が、あたしの体をそっと包み込む。
キスの激しさとは対照的に、とても優しい腕だった。
混乱するあたしを慰めるように、あたしの髪に頬ずりをする。
「気付いたろ? お前自身も変わってきているんだよ」
変わっている?
あたしも、変わってきているの?
あの頃のまま、時を止めたままでは・・・人は、生きてはいけないの?
それはどうしても、変えられないことなの?
「好きなんだ・・・・・・」
「祐、輔・・・・・・」
「佳那・・・好きだよ」
祐輔のささやき声を聞いた時。
あたしの心に、閃光のように大樹の言葉がよみがえった。
『佳那・・・好きだよ』
大樹の、あたしへの愛を告げる言葉が。